教えられる態度から学ぶ態度への転換

まもなく秋学期が始まるので,授業の準備に取り掛かりました.

今年の春学期の中等教科教育法情報の授業では,自分たちで学べるような環境を整えて,できるだけ教えないように試みてみたのですが,これが全員にたいして好評だったわけではありません.チーム学習に適した学習支援システムのTeam Gearを導入し,ブログも使えるようにして各自ができるだけ自由に書き込むように奨励しました.さらに単語帳として活用されているフリーソフトのtangocho.comを使用して専門用語を分担して調べるようにしました.このときに2−3名が1チームになって調べるタンデム学習(タンデムとは2−3人乗りの自転車,飛行機やパラグライダーの練習生と指導教官が相乗りする方法)と称した方法をとりました.このときに私が少しでも介入すると,友達に相談せずにいきなり私の方に質問するという現象が起こることがあるのでできるだけ冷淡に介入しないようにしました.

しかし,どうも学生は教師に教えてもらいたいようで,教師に確かめないと自分の知識が正しいかどうかに自信がないようです.一部の学生はわたくしの意図を理解してくれましたが,一部の学生にはまったく不評で反発を買ったようです.ICT時代にあっては教えない教育,さらには生涯学習社会の実現が目指されているのですが,教えてもらう態度から自ら学ぶ態度への転換はなかなか難しいようです.対面授業と少人数教育という呪縛からなかなか解き放たれないようで,教育費はますます高騰し,教育格差はさらに拡大して教育亡国への道へと突き進むのでしょう.