遠隔学習と多人数授業

遠隔学習を実施するにあたって解決しなければならない問題は多人数教育のときの学習と管理の方法です。これまでに経験してきたのは、岐阜大学佛教大学滋賀大学の大学院レベルでの遠隔学習でした。受講者人数は3−12名という規模ですが、実施しての印象はこの程度の人数だとどうしても教師主導型になってしまうということです。学習者が自分たちで学習を管理するという方法が持ち込めず、かえって教師が説明しリードしてしまう形式になりがちです。

多人数での実施を試みたいのですが、現在の大学院レベルの授業ではそのような他人数での授業が少ないという制約があります。これが100人とか200人とかになるとそれを覚悟して教材開発や課題の設定ができるのだろうと思います。そのときにはブログを上手に利用することによって個人が意見を出しやすいようなアレンジをすればよいのでしょうが、実践してみる機会がないのが残念です。大学院レベルでも多人数の学習をマネージメントすることは可能であることは世界の教育では常識なのですが、残念ながらそのような実験ができません。このことがわが国の大学院レベルでの遠隔学習の発展を阻害しているのです。わが国の教育の現状は、世界の教育の趨勢からますます遅れていっているのです。